温暖化対策の取組みに役立つ測定器

地球温暖化対策の取組みについて
地球温暖化対策の取り組みは、主に「省エネルギー」と「温室効果ガス(CO2等)排出量の削減」の二つの柱で進められます。
それぞれの取り組みに役立つ測定器を、「見える化」と「最適化」の視点からご紹介します。
1. 省エネルギー(エネルギー効率の改善)に役立つ測定器
温暖化対策の第一歩は、「どこで」「どれだけの」エネルギーが無駄に使われているかを「見える化」することです。
- 電力測定器(ワットチェッカー/パワーアナライザ):
【測定対象】:機器ごとの消費電力(W)、電流(A)、積算電力量(kWh)
【温暖化対策への活用】:省エネ重点設備の特定:消費電力の大きい機器を特定し、優先的な対策(入れ替え、設定変更など)を検討する。
・待機電力の発見:不使用時の電力ロス(待機電力)を発見し、削減する。 - ポータブル通信電流計 (IoT計測システム):
【測定対象】:工場・設備ごとの電流・電力量(遠隔で)
【温暖化対策への活用】:CO2排出量の可視化:電力使用量からCO2排出量をリアルタイムで算出し、削減目標への進捗を把握する。(例:ENIMASなど)
・デマンド管理:電力のピークを監視し、契約電力の削減や料金削減に役立てる。 - 超音波流量計:
【測定対象】:配管を流れる液体・蒸気の流量(熱量)
【温暖化対策への活用】:熱エネルギーロスの発見:蒸気や温水ラインの流量を測定し、使用量の多すぎる箇所やリーク(漏れ)を発見し、熱エネルギーの無駄を削減する。 - サーモグラフィー (放射温度計含む):
【測定対象】:設備表面の温度分布
【温暖化対策への活用】:熱損失の特定:ボイラー、配管、建物の断熱材などから熱が逃げている箇所を視覚的に特定し、断熱補修を行う。
2. 温室効果ガスの管理に役立つ測定器
排出源(ボイラー、燃焼機器、室内環境)を直接管理・改善するために使用されます。
- 燃焼排ガス分析計 (HT-1300Z typeAなど):
【測定対象】:O2、CO、NOx、燃焼排ガス温度など
【温暖化対策への活用】:燃焼効率の最適化:ボイラーやバーナーの排ガスを測定し、空気比などを調整することで、燃料を無駄なく燃焼させ、CO2排出量と燃料費を削減する。 - CO2(二酸化炭素)測定器:
【測定対象】:室内・外気のCO2濃度
【温暖化対策への活用】:換気の適正化:オフィスや施設でのCO2濃度を監視し、換気が必要なレベル(例:1,000ppm超)に達した場合のみ換気することで、過剰な外気導入による空調負荷(エネルギー消費)の増大を防ぐ。
3. 快適性・環境改善による間接的な省エネに役立つ測定器
室内の環境を最適に保つことで、エアコンなどのエネルギー消費を抑えます。
- 照度計:
【測定対象】:作業場所の明るさ(照度)
【温暖化対策への活用】:照明の適正化:JIS規格などの基準と照らし合わせ、明るすぎる場合は照明の間引きや調光を行い、電力消費を削減する。 - 温湿度計 / WBGT測定器:
【測定対象】:室内・屋外の温度、湿度(WBGT:暑さ指数)
【温暖化対策への活用】:空調の最適化:温度・湿度を正確に把握し、エアコンの設定温度を過度に下げすぎないように管理し、省エネと快適性を両立する。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 熱エネルギーの無駄を特定し、削減することに役立ちます。: 「ポータブル形超音波流量計 Portaflow-C 3型」など。
- 熱中症予防の機能が空調・換気の「ムダの削減」に利用できます。: 「WBGT特化型環境表示器 TK0240」など。
まとめ
温暖化対策で最も効果的なのは、「エネルギー使用量の継続的な見える化」と、それに基づく「設備・運用の改善(PDCA)」です。まずは電力測定器やIoT計測システムで現状を把握することから始めることをおすすめします。





