悪天候の中での計測に適した測定器

悪天候の中での計測に適した測定器について
悪天候(雨、雪、霧、強風など)の中での計測は、視界の悪さや機器への浸水、気温変化など、多くの障害が伴います。そのため、一般的な測定器ではなく、耐環境性能に優れたものを選ぶ必要があります。
用途別に、悪天候に強い測定器をまとめました。
1. 距離・形状の計測(土木・建築・測量)
視界が悪い中での距離計測には、従来の光波測距儀(トータルステーション)よりも、環境耐性の高いレーザーや電波を用いた機器が適しています。
- 防水・防塵トータルステーション:
保護等級 IP65〜67 を備えたモデル。雨天でも内部に水が入らず、レンズの曇り止め加工が施されているものが必須です。 - 3Dレーザースキャナー(高耐環境モデル):
霧や雨をノイズとして除去する「マルチターゲット機能」を備えた機種があります。 - GNSS測量機(GPS測量):
レーザーなどの「光」を使わないため、霧や吹雪で視界がゼロでも高精度な位置計測が可能です。悪天候下では最も信頼性の高い選択肢の一つです。
2. 非接触温度計測
雨や霧の中では、空気中の水分が赤外線を吸収・散乱させるため、一般的な放射温度計(サーモグラフィ)は誤差が大きくなります。
- 長波長赤外線サーモグラフィ:
比較的、霧や煙を透過しやすい波長帯を使用するモデル。ただし、激しい雨天時は「雨の温度」を測ってしまうため、補正機能付きや接触式のバックアップを併用するのが一般的です。
3. 風速・気象計測
強風や着氷(雪)が発生する環境では、可動部のある測定器は故障の原因になります。
- 超音波風速計:
プロペラ(風車)がないため、凍結による固着や強風による破損のリスクが低いです。可動部がないのでメンテナンス性も高く、極地や山岳地帯での計測に標準的に使われます。
4. 物理的な厚み・腐食の計測
橋梁やプラントの点検など、雨天の屋外作業向けです。
- 防水型超音波厚さ計:
水中や雨天での使用を前提とした設計。塗装の上からでも鋼板の厚みを測れる機能(エコー・エコー機能)があると、天候を問わず作業効率が上がります。
まとめ
悪天候用の機器を選ぶ際は、以下の指標を必ずチェックしてください。
IP等級
内容:防塵・防水性能 目安:IP65(防噴流)以上、できれば IP67(一時的浸水OK)
動作温度範囲
内容:寒冷地や炎天下での耐性 目安:-20°Cから50°C 程度をカバーしているか
堅牢性(ドロップテスト)
内容:落下への強さ 目安:米軍規格 MIL-STD-810G 準拠など





