事故防止に役立つケーブル検査器
ケーブル検査で防止できる事故について
ケーブル検査を行うことで、漏電、感電、火災といった重大な事故を未然に防ぐことができます。これらの事故は、ケーブルの劣化や不適切な施工によって引き起こされることが多いです。
- 1. 漏電・感電事故の防止:
ケーブルの絶縁体が劣化したり、傷ついたりすると、内部の導線が露出したり、抵抗値が低下したりします。これにより、ケーブルから電気が漏れ出し、周囲の金属部分などに電気が流れてしまう漏電が発生します。漏電が発生している箇所に人が触れると、感電事故につながる可能性があります。
ケーブル検査の役割:
・絶縁抵抗測定: 絶縁抵抗計(メガー)を使ってケーブルの抵抗値を測定することで、絶縁不良がないかを確認できます。抵抗値が規定値よりも低い場合、絶縁性能が低下していることを示唆します。 - 2. 火災事故の防止:
ケーブルの短絡(ショート)は、火災の主要な原因の一つです。絶縁体の破損によって、異なる電線同士が接触すると、大きな電流が流れ、瞬時に異常な熱が発生します。この熱によって周囲の可燃物が引火し、火災につながることがあります。
ケーブル検査の役割:
・導通試験: ケーブルの断線や結線ミス、接触不良がないかをチェックすることで、短絡の原因となる状態を早期に発見できます。特に、ワイヤーハーネスなど複数の電線が束ねられている場合、導通試験は欠かせません。
・サーモグラフィによる温度測定: ケーブルが過負荷の状態にあると、その部分が発熱します。サーモグラフィを使って温度を測定することで、目に見えない発熱箇所を発見し、短絡や過熱による火災リスクを回避できます。 - 3. 機器の故障・システムダウンの防止:
ケーブルの導通不良や断線は、電気的な事故だけでなく、接続されている機器の誤作動や停止を引き起こします。特に、精密機器や重要なシステムにおいて、信号ケーブルの不具合は重大なシステムダウンにつながる可能性があります。
ケーブル検査の役割:
・結線状態の確認: ワイヤマップ機能を持つテスタを使用することで、配線の順序や接続が正しいかを確認できます。これにより、結線ミスによる機器の故障を防ぎます。
・断線箇所の特定: ケーブルが断線している場所を正確に特定することで、迅速な修理や交換が可能になり、システムの稼働停止時間を最小限に抑えられます。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 火災・機器故障の原因となるケーブル不良診断: 「TDRケーブル診断・測長機 TX-2003」など。
- 埋設・壁内ケーブルの損傷事故防止: 「ケーブル障害探索機 GFL3000」など。
まとめ
これらの製品は、単なる導通試験だけでなく、ケーブルの状態をより詳細に診断し、潜在的な危険性を事前に特定できるため、電気設備や通信システムの安全確保に大きく貢献します。