火災事故の現場で使われる測定器

2026年6月17日の早くに、岐阜県御嵩町のリサイクル工場で火事が発生し、鉄筋平屋建ての工場およそ7700平方メートルが焼けました。
消防車やヘリコプターなどが出動し、発生から約12時間後に鎮火しましたが、出火原因などの詳細は調査中との事です。
火災事故は、住宅・工場など、様々な場所で起こりうる災害の一つです。
火災事故の現場(消火活動中、鎮火後、あるいは原因調査時)では、目に見えない危険なガスや物質、再燃の兆候を察知するために、さまざまな高機能な測定器が使われています。
消防隊員や鑑識官の命を守り、確実な原因究明を行うための代表的な測定器をいくつかのカテゴリーに分けてご紹介します。
1. 有毒ガス・可燃性ガスの検知(隊員の安全確保)
火災現場は一酸化炭素やシアン化水素など、一呼吸で命を落としかねない有毒ガスの巣窟です。
- 複合型ガス検知器(マルチガスモニター):
役割: 消防隊員が現場に進入する際、胸元などにつけておく携帯型の機器です。
測定対象: 一般的に酸素濃度(O2)、一酸化炭素(CO)、硫化水素(H2S)、および可燃性ガスの4種類を同時にリアルタイム測定します。
仕組み: ガス濃度が安全基準を超えたり、酸素欠乏状態(18%未満など)になったりすると、アラームや振動で退避を促します。ガス検知管役割: 特定のピンポイントなガス濃度をその場で簡易的に測定するガラス管です。吸引ポンプを使って現場の空気を吸い込ませ、中の試薬の色の変化(変色層の長さ)で濃度を読み取ります。 - ガス検知管:
役割: 特定のピンポイントなガス濃度をその場で簡易的に測定するガラス管です。吸引ポンプを使って現場の空気を吸い込ませ、中の試薬の色の変化(変色層の長さ)で濃度を読み取ります。
2. 熱の可視化(再燃防止・状況把握)
煙で視界がゼロの状況や、壁の裏側でくすぶっている火種を見つけ出すために「熱」を測る機器が必須です。
- 熱画像直視装置(サーマルイメージングカメラ / TIC):
役割: 赤外線を感知し、周囲の温度分布を映像として画面に映し出します。
活用シーン: 濃煙のなかでの逃げ遅れた人の捜索、壁の内部や天井裏の隠れた火源(火種)の特定、鎮火後に再び燃え出さないかの確認(残火処理)に使われます。 - 放射温度計(非接触レーザー温度計):
役割: 対象物に触れることなく、ピンポイントで表面温度を測定する機器です。レーザーポインターを当てて温度を測り、安全な距離から危険な高温部がないかをチェックします。
3. 火災原因の調査(放火・原因究明)
鎮火後、火災が「どこから」「なぜ」発生したのかを突き止めるための測定器です。特に放火が疑われるケースなどで威力を発揮します。
- 可燃性液体ガス検知器(ニオイセンサー / ポータブルFID・PID):
役割: ガソリン、灯油、シンナーといった放火に使われやすい揮発性有機化合物(VOC)の微量な成分を感知します。
活用シーン: 人間の鼻では分からないレベルの焦げ跡から、油成分が残っている場所を特定し、鑑識で証拠(犬でいう「警察犬」の役割を機械が行うイメージ)を採取する位置を決めます。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 主に「鎮火後の原因調査(鑑識活動)」や「残火処理(再燃防止の確認)」など: 「放射温度計 THI-440NH」
まとめ:現場での連携
火災現場では、これらが以下のようなステップで活用されています。
- 進入時:
複合型ガス検知器で空気の安全を確かめながら進む。 - 消火・救助中:
サーマルカメラで壁の向こうの炎や人影を探す。 - 鎮火後:
放射温度計で完全に冷めているか確認し、ガス検知器で放火の証拠(油の痕跡)を探す。
近年では、これらの検知器を搭載した消防用ドローンやロボットが、人間が入れない危険な崩落現場などに先行して投入されるケースも増えています。





