食品の検査に使用される測定器

食品の安全や品質を守るために、食品業界ではさまざまな種類の測定器が活躍しています。微生物の有無を調べるものから、異物の混入を防ぐもの、おいしさを数値化するものまで多岐にわたります。
目的別に主な測定器を分類してご紹介します。
1. 衛生管理・微生物検査(食中毒を防ぐ)
食品に有害な菌がいないか、製造ラインが清潔かを調べるための測定器です。
- ATPふき取り検査器(ルミテスターなど):
用途: 包丁、まな板、作業員の「手のひら」などの清浄度測定。
仕組み: 生物の細胞に含まれるATP(アデノシン三リン酸)という物質を、ホタルの発光原理を利用して測定します。わずか数秒で汚れ(菌や食品残渣)を数値化できるため、現場の衛生管理の定番です。 - 微生物迅速測定器:
用途: 一般生菌、大腸菌群などのスクリーニング。
仕組み: 従来の培養法(数日かかる)とは異なり、蛍光染色技術などを用いて、数時間〜その日のうちに菌数をカウントします。
2. 異物混入・外観検査(安全を守る)
食品の中に金属、ガラス、プラスチックなどの異物が混ざっていないかを検査します。
- 金属検出機:
用途: 製造工程で混入した磁性金属(鉄など)や非磁性金属(ステンレスなど)の検出。
仕組み: 磁場の中を食品が通過する際の、磁場の乱れをキャッチして異物を見つけます。アルミ包装された食品には使えないという弱点があります。 - X線異物検出機:
用途: 金属だけでなく、ガラス、石、骨、高密度プラスチックなどの検出。
仕組み: 医療用レントゲンのようにX線を照射し、密度の違いによる影を画像処理で認識します。アルミ包装された製品でも検査可能です。 - 色彩選別機(カメラ検査):
用途: 米、豆、カット野菜などの変色、虫食い、異物の除去。
仕組み: 高速で流れる食材をカメラで撮影し、あらかじめ設定した色と違うものを空気の噴射(エアー)などで弾き飛ばします。
3. 品質・成分分析(おいしさと規格を守る)
味のバラつきを防ぎ、栄養成分表示や規格を満たしているかを測定します。
- 糖度計・屈折計:
用途: 果物、ジャム、飲料などの糖度(Brix)測定。
仕組み: 光が液体を通過するときに曲がる角度(屈折率)が、糖の濃度によって変わる性質を利用しています。最近は、果物に光を当てるだけで非破壊で測れるタイプも人気です。 - 塩分計:
用途: スープ、調味料、加工食品の水溶液の塩分濃度測定。
仕組み: 電気の通りやすさ(電気伝導度)を測ることで、塩分濃度を割り出します。 - 水分活動度(Aw)測定器:
用途: カビや細菌の繁殖しやすさ(保存性)の指標となる「自由水」の割合を測定。
仕組み: 密閉容器内の平衡相対湿度をセンサーで読み取ります。干物や焼き菓子などの賞味期限を設定する上で極めて重要です。 - pH計(水素イオン濃度計):
用途: ドレッシング、マヨネーズ、牛乳などの酸性・アルカリ度測定。
仕組み: ガラス電極を用いて溶液中の水素イオン濃度を電気的に測定します。味のコントロールだけでなく、殺菌条件の決定にも使われます。
4. 特殊な成分・残留農薬検査(高度な分析)
研究所などで使われる、より精密な分析装置です。
- 高速液体クロマトグラフ(HPLC):
用途: ビタミン、添加物、アレルゲン、カビ毒(マイコトキシン)などの定量分析。 - ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS):
用途: 残留農薬の検査、食品の香気成分(匂い)の分析。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 正確な水分測定に: 「水分計 MOC63U」
- 液体の中に溶け込んでいる酸素の量の測定に: 「溶存酸素計 DO-31P」
まとめ
これらは、HACCP(ハサップ:国際的な衛生管理の手法)を導入・運用する上でも欠かせないツールとなっています。





