人命救助活動に役立つ測定器

人命救助活動に役立つ測定器について
人命救助の現場では、一分一秒を争う状況下で「目に見えない危険」や「生存者の兆候」を迅速かつ正確に把握することが求められます。
救助活動に役立つ主な測定器を、その役割ごとに分類して解説します。
1. 生存者探知・捜索のための測定器
倒壊した建物や土砂の中に残された人を見つけるための機器です。
- 電磁波人命探査装置(シリウスなど) :
電磁波を照射し、呼吸や心拍に伴う微細な胸の動きを検知します。厚い壁やがれき越しでも生存者の存在を確認できるのが最大の特徴です。 - 地中音響探知機(シリウススコープなど):
がれきの下からの「叩く音」や「叫び声」などの微細な振動をキャッチします。複数のセンサーを配置することで、生存者の位置を特定します。 - 赤外線サーモグラフィ:
物体から放射される赤外線を検知し、温度差を可視化します。夜間や煙の中、深い藪の中でも体温を頼りに人を発見できます。
2. 救助隊員の安全を守るための測定器
二次災害を防ぐため、周囲の環境が安全かどうかを測定します。
- 複合ガス検知器:
火災現場やマンホール、化学プラントなどで、酸素濃度、可燃性ガス、一酸化炭素、硫化水素などの有毒ガスを同時に測定します。 - 放射線測定器(ガイガーカウンター):
原子力災害やテロ現場などで、目に見えない放射線の線量を測定し、隊員の被ばくを防ぎます。 - レーザー距離計・傾斜計:
余震などで倒壊の危険がある建物の動きをミリ単位で監視します。建物がわずかに傾いた際にアラートを鳴らし、隊員の撤退判断を助けます。
3. 傷病者の容体把握(バイタル測定)
救出した直後の処置や、搬送中の容体管理に使用します。
- パルスオキシメータ:
指先などに装着し、血液中の酸素飽和度(SPO2)と心拍数を非侵襲的に測定します。呼吸不全の状態を即座に判断できます。 - 自動体外式除細動器(AED):
厳密には治療器具ですが、心電図を自動で測定・解析し、電気ショックが必要かどうかを判断する高度な測定機能を備えています。 - カプノメータ:
呼気中の一酸化炭素濃度(EtCO2)を測定します。心肺停止時の心臓マッサージの質や、気管挿管が正しく行われているかの確認に不可欠です。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 目に見えない放射線リスクから隊員と生存者を守る事に有効。: 「シンチレーション式サーベイメーター TCS-172B」など。
- がれき下の捜索などに。: 「赤外線サーモグラフィ F50B-STD」など。
まとめ
これらの機器は年々小型化・高精度化しており、ドローンに搭載して広範囲を自動捜索する技術も普及し始めています。





