台風時に役立つ測定器

台風時に考えられる被害

台風によって考えられる被害は、その現象（風、雨、高潮など）が複合的に発生するため、非常に多岐にわたります。

主な被害の種類と、それぞれに付随する具体的な影響について解説します。

• 1. 風害（暴風・強風による被害）:
  台風の中心付近では猛烈な風が吹き荒れ、広範囲にわたって被害をもたらします。
  ・建物の損壊:
  瓦や屋根が吹き飛ばされる。看板や窓ガラスが割れる。古い家屋やプレハブが倒壊・損壊する。
  ・飛来物による被害:
  飛んできた看板、瓦、木の枝、ゴミなどが人や車、建物に当たり、死傷事故や損壊を引き起こす。
  ・インフラの停止:
  電柱の倒壊や電線の断線による大規模な停電。通信ケーブルの切断による通信障害。
  ・交通の麻痺:
  鉄道の運行停止、高速道路の閉鎖、航空機・船舶の欠航。トラックや自動車の横転事故。
  ・農林水産物への被害:
  農作物の倒伏や折損、果実の落果。漁船の転覆や漁業施設の損壊。
  ・倒木:
  強風で木が倒れ、道路を塞いだり、建物や電線に被害を与えたりする。
• 2. 水害（大雨・集中豪雨による被害）:
  台風がもたらす大量の雨は、場所や地形を問わず様々な水害を引き起こします。
  ・洪水:
  河川が増水し、堤防を越えたり決壊したりして、広範囲が浸水する（外水氾濫）。
  ・内水氾濫（都市型水害）:
  集中豪雨により、下水や側溝の排水能力を超え、道路や住宅地が冠水・浸水する。特に都市部の地下街やアンダーパス（高架下の道路）が水没し、閉じ込め事故が発生する危険がある。
  ・家屋の浸水:
  床上・床下浸水が発生し、家財の損傷や生活環境の悪化、カビなどの衛生問題を引き起こす。
  ・水の濁り・断水:
  河川の濁流により水道施設の取水が停止し、広範囲で断水が発生する。
• 3. 土砂災害（雨による地盤の緩み）:
  雨が長時間、または短時間に集中して降ることで、地盤が緩み土砂災害が発生します。
  ・がけ崩れ（崖崩れ）:
  急な斜面の土や岩が突然崩れ落ちる。速度が速く、一瞬で家屋を押し流すなど甚大な被害をもたらす。
  ・土石流:
  渓流や川沿いで、雨水と土砂、岩石が一体となって一気に流れ下る。破壊力が強く、住宅地などに到達すると壊滅的な被害となる。
  ・地すべり:
  比較的緩やかな斜面で、広い範囲の地面がゆっくりと、あるいは急激に滑り落ちる。道路や建物を巻き込み、広範囲に被害が及ぶ。
• 4. 高潮・高波害（海面の上昇による被害）:
  台風が海上にいる場合、特に海岸線付近や湾奥の地域に大きな被害をもたらします。
  ・高潮:
  台風の中心気圧が低くなることと、強風によって海水が海岸に吹き寄せられることで海面水位が上昇し、陸地に海水が流れ込む。低平な地域で広範囲に浸水被害をもたらす。
  ・高波:
  海上で波が高くなり、海岸付近の防波堤や護岸を破壊する。テトラポッドなどが打ち上げられ、周辺の施設や道路が損傷する。
  ・船舶への被害:
  漁船や小型船が転覆・沈没したり、係留施設から流されたりする。

これらの被害は単独で発生するのではなく、暴風による停電の後に大雨による浸水が発生するなど、被害が複合的に連鎖することが最大のリスクとなります。

台風時に役立つ測定器

台風時に「役立つ測定器」は、その用途によって大きく2つに分けられます。

・防災・安全管理: 風の強さや気圧の変化を把握し、事前の備えや避難の判断に役立てる。
・停電時の電源確保: 非常用電源（発電機やバッテリー）の運用状況を確認する。

お勧めの測定器

主な測定機器は以下になります。

• 台風が接近しているか、あるいは通過したかの判断に: 「気圧計 OT211」など。
• 台風時の正確な気象データ記録と現場の安全管理に: 「全天候型測定データ記録装置(風向風速計仕様) KADEC-R-KAZE V2」など。

まとめ

これらの測定器で付近のリアルタイムのデータを把握し、気象庁の正確な予報と組み合わせて活用することで、防災意識を高め、より迅速な行動につなげることができます。