焙煎所で使われる測定器

焙煎について
コーヒーにおける焙煎(ロースト)とは、一言で言えば「コーヒーの生豆に熱を加え、化学変化を起こさせることで、香りと味を引き出す工程」のことです。
生豆のままでは青臭く、コーヒーとしての風味はほとんどありません。焙煎によって豆内部の成分が変化し、あの特有の香りや味わいが生まれます。
焙煎所の重要性
焙煎所は、ただ豆を焼くだけの場所ではありません。
- 生豆の選定:
その豆が持つポテンシャル(産地特性、精製方法)を見極める。 - プロファイル作成:
豆に最適な「温度の上げ方」と「時間」を設計し、狙った風味を再現する。 - 品質管理:
前述した測定器(カラーメーターやロガー)を使い、どのロットでも同じ品質を提供できるようにする。
焙煎は、農業生産物であるコーヒー豆の個性を、一杯の飲み物へと「翻訳」する最も創造的なプロセスと言えます。
焙煎所で使われる測定器
焙煎所では、コーヒー豆の品質を一定に保ち、理想の風味を再現するために、いくつかの重要な測定器が使われています。
主に使われている測定器を、役割別に整理しました。
1. 焙煎工程の管理(温度・時間)
焙煎機の挙動を正確に把握するためのツールです。
- データロガー(温度計):
焙煎機内の「豆温度(BT)」や「排気温度(ET)」をリアルタイムで測定し、PCにグラフとして記録します。 - ストップウォッチ/タイマー:
焙煎時間と各フェーズ(乾燥、メイラード反応など)の経過時間を厳密に測ります。
2. 焙煎豆の品質管理(色・成分)
焙煎度合いを客観的な数値で管理するためのツールです。
- カラーメーター(焙煎度測定器):
豆の表面や粉砕した豆の色を測定し、焙煎度(Agtron値など)を数値化します。これにより「前回と同じ色(焙煎度)」を再現します。 - 水分計:
生豆の水分値、または焙煎後の豆の水分値を測定します。保管状態や焙煎の仕上がりに影響するため重要です。
3. 抽出・品質評価(カッピング)
最終的な味を確認するためのツールです。
- デジタルスケール(精密秤):
0.1g単位(または0.01g単位)で、豆の量や抽出量、注湯量を正確に計ります。 - 屈折計(濃度計・TDSメーター):
抽出したコーヒーの成分濃度(TDS: Total Dissolved Solids)を測定します。抽出効率を客観的に数値化し、レシピの調整に役立てます。
まとめ
職人の「勘」や「感覚」も大切ですが、これらのツールを使うことで、「なぜ美味しくできたのか」「なぜ失敗したのか」を再現性のあるデータとして残すことが可能です。





