歩道崩落事故の安全対策に役立つ測定器

2026年4月10日に兵庫県加古川市平荘町で、ため池(飯盛上池)を横断する県道の歩道崩落事故が発生しました。
今回の件では、事前に異常を察知して通行規制を敷いていたことが、死傷者ゼロという結果に繋がった最大の要因と言えます。
歩道崩落事故の安全対策に役立つ測定器
崩落事故の未然防止や、発生時の被害を最小限に抑えるために専門家が使用する測定器は多岐にわたります。これらは「地面が動いているか」「地中に異常がないか」を科学的に特定するために欠かせないツールです。
主な測定器を、その役割ごとに整理しました。
1. 「動き」をミリ単位で捉える装置
崩落の予兆として最も分かりやすいのは、地面や構造物のわずかな移動です。
- 伸縮計(しんしゅくけい):
ひび割れをまたぐように設置します。地面が引っ張られて亀裂が広がるとワイヤーやセンサーが反応し、その数値を記録します。一定以上の動きがあれば自動で警報を鳴らす設定も可能です。 - 傾斜計(けいしゃけい):
地表や地中に設置し、地面の「傾き」の変化を測ります。今回の加古川のような堤体上の道路では、斜面が滑り出す前に必ず傾きが生じるため、早期発見に非常に有効です。 - GNSS測位装置(高精度GPS):
衛星を利用して、特定の地点が数ミリ単位で水平・垂直に移動していないかを定点観測します。広範囲な地滑りの監視に適しています。
2. 「見えない内部」を透視する装置
表面にひび割れが出る前、あるいは地中の空洞化を知るために使われます。
- 地中レーダー探査機:
電磁波を地面に放射し、その反射から地中の空洞や埋設物の状態を確認します。歩道の下が水の浸食でスカスカになっていないかを調べるのに最適です。 - 検層計(地中変位計):
ボーリング(穴掘り)をして地中深くまでのパイプを埋め込み、どの深さの層が動いているかを特定します。深い場所での「すべり面」を特定するのに役立ちます。
3. 広範囲を「面」で捉える最新技術
ピンポイントではなく、道路全体や池の周囲全体を効率よく調査します。
- 3Dレーザースキャナー:
レーザーを照射して地形を丸ごと3Dデータ化します。数ヶ月おきに計測してデータを重ね合わせることで、「ここがわずかに沈んでいる」といった変化をカラーマップで可視化できます。 - ドローン搭載型LiDAR(ライダー):
ドローンからレーザーを放ち、草木を透過して正確な地表面の形状を測ります。人が近づけない危険な斜面の点検に威力を発揮します。
4. 異常の根源「水」を測る装置
土砂崩れや崩落の多くは「水」が原因です。
- 間隙(かんげき)水圧計:
土の中の水の圧力を測ります。大雨などで水圧が急上昇すると、土の結合力が弱まり崩落しやすくなるため、危険を察知する重要な指標になります。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 崩落前後の「微細な変化」を可視化が可能: 「据付式 3Dレーザースキャニングシステム Trimble X7」
- 崩落が起きてしまった後の「復旧工事」に: 「盛土締固め管理システム TENav」
まとめ
これらの測定器を導入する際、最も重要なのは「変化の加速度」を見ることです。
「1日に1mm動く」状態から「1時間に1mm動く」状態に変化した時が、崩落の直前サインです。測定器による24時間の自動監視と、閾値(しきいち)を超えた際の自動通行止めシステムを組み合わせることが、被害を最小限にするための確実な対策となります。





