タンクの爆発事故防止に役立つ測定器

2026年4月28日午前、広島県三次市の製薬工場でタンクが爆発し、5人が負傷するという事故がおきました。
この事故の原因に関しては現段階では調査中ですが、基本的にタンクの爆発事故は、可燃性ガスの蓄積、酸素濃度の上昇、あるいは急激な圧力変化などが原因で発生します。これらを未然に防ぐためには、タンクの状態を「見える化」する適切な測定器の選定が不可欠です。
事故防止に直結する主要な測定器を、その役割ごとに分類してご紹介します。
1. ガス検知器(可燃性ガス・酸素)
爆発の三要素(燃料・酸素・火種)のうち、燃料と酸素を監視するための最も基本的な機器です。
- 可燃性ガス検知器:
タンク周辺や内部で、ガス濃度が爆発下限界(LEL)に達していないかを監視します。 - 酸素濃度計:
爆発防止: 窒素置換(パージ)が正しく行われ、酸素濃度が規定値以下に保たれているかを確認します。 - 酸欠防止:
作業員が内部に入る際の安全確保にも使用されます。 - 複合型ガス検知器:
酸素、可燃性ガス、硫化水素、一酸化炭素などを同時に測定できるポータブルタイプが一般的です。
2. 圧力計・圧力トランスミッタ
タンク内の圧力が許容範囲を超えると、構造的な破壊(破裂)や、そこからのガス漏洩による爆発を招きます。
- 連成計:
正圧だけでなく、負圧(真空状態)も測定できるもの。タンクの変形を防ぐために重要です。 - 差圧計:
フィルターの目詰まりや液位測定と併用され、異常な負荷を検知します。 - 圧力スイッチ:
設定値を超えた際にアラームを鳴らしたり、緊急遮断弁を作動させたりする安全装置のトリガーとなります。
3. レベル計(液面計)
液体の入れすぎ(オーバーフロー)による漏洩や、空だきによる静電気の発生・過熱を防ぎます。
- 非接触式(超音波・電波):
爆発性雰囲気のあるタンク内でも、可動部がないため安全に測定できます。 - レベルスイッチ:
高液位(HL)や超高液位(HHL)を検知し、ポンプを停止させるインターロック回路に組み込まれます。
4. 静電気測定・接地監視器
目に見えない「火種」を防ぐための装置です。
- 静電電位計:
液体や粉体が流動する際に発生する静電気の量を測定します。 - 接地(アース)監視リレー:
タンクやローリー車が正しく接地されているかを常時監視し、接地不良時には作業を停止させます。
5. 温度計
化学反応を伴うタンクや、引火点の低い物質を貯蔵する場合に重要です。
- 熱電対・白金抵抗体:
内部の温度異常(異常反応の予兆)を検知します。 - 赤外線サーモグラフィ:
タンク外壁の異常発熱を非接触で監視し、局所的なホットスポットを早期発見します。
お勧めの測定器
主な測定機器は以下になります。
- 特に製薬工場や化学プラント、船舶などの過酷な環境で、エタノールのような可燃性ガスの管理に最適: 「可燃性ガス検知器 ポータブルガスモニター RX-8000」
まとめ
タンク事故での大規模な爆発は、多くの場合「静電気の火花」か「ポンプの空運転による摩擦熱」が点火源となり、不十分な窒素置換によって酸素が入り込んだ瞬間に発生します。作業手順書の中に「酸素濃度の測定記録」を必須項目として組み込むことが、現実的で強力な一歩になります。





