ジメチルヒドラジン(1,1-Dimethylhydrazine)
ヒドラジンの2つの水素原子がメチル基に置換された構造を持つ有機化合物です。1,1-体(非対称)と1,2-体(対称)の2種類の構造異性体がありますが、工業的に重要なのは主に1,1-ジメチルヒドラジンです。非常に強力な還元剤であり、空気中の酸素や酸化剤と触媒なしで反応して発火する性質(自己着火性)を持つため、ロケットエンジンの推進剤として極めて重要な役割を担っています。
別名:非対称ジメチルヒドラジン、1,1-ジメチルヒドラジン、UDMH(1,1-Dimethylhydrazine / N,N-Dimethylhydrazine)
| ガス名 |
ジメチルヒドラジン |
分子式 (化学式) |
C2H8N2 |
| 状態 |
液体(揮発性が高い、沸点:約63度) |
| 色 |
無色透明(空気に触れると黄色に変色することがあります) |
| 臭気 |
強烈なアンモニア様のアミン臭(不快な刺激臭) |
燃焼 範囲 vol% |
2.1%から95.0%前後(非常に広く、ほぼすべての濃度で爆発の危険があります) |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・ロケットやミサイルの推進剤(燃料)、化学合成原料(医薬品、農薬、写真薬品)、ガス吸収剤の安定剤。
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危険 情報 |
- ・引火点が約マイナス15度前後という、極めて引火性の高い液体および蒸気です。
- ・最大の特徴は強力な自己着火性(ハイパーゴリック)であり、発煙硝酸や四酸化二窒素などの酸化剤と接触するだけで火源がなくても瞬時に発火・爆発します。
- ・空気中での酸化により、爆発性の過酸化物を生成する恐れがあります。燃焼や熱分解により、猛毒の窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素を発生します。
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人体の 影響 |
- ・極めて毒性が強く、発がん性も指摘されている危険な物質です。
- ・目・皮膚へ直接触れると、激しい刺激、赤み、痛み、深刻な化学火傷を引き起こします。皮膚から非常に吸収されやすく、全身毒性を招きます。
- ・吸入:蒸気を吸入すると、喉や気道の激しい痛み、咳、頭痛、めまい、吐き気、意識混濁を引き起こします。高濃度では肺水腫や痙攣を招き、死に至る可能性があります。
- ・内臓への影響:肝臓や腎臓に深刻な障害を及ぼすほか、中枢神経系を強く刺激します。
- ・発がん性:国際がん研究機関(IARC)などにより、ヒトに対して発がん性がある可能性が高い(グループ2B等)と分類されています。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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