イソ酪酸2-フェニルエチル(2-Phenylethyl isobutyrate)

芳香族エステルの一種であり、2-フェニルエタノール(フェニルエチルアルコール)とイソ酪酸がエステル結合した構造を持っています。天然には様々な植物の花や果実、特にローズや日本茶、一部のフルーツのエッセンシャルオイル(精油)に微量に含まれている天然香気成分です。水にはほとんど溶けませんが、エタノールやジエチルエーテル、ベンゼン、アセトンなどの多くの有機溶剤には任意の割合で非常によく溶けます。重厚で甘いフローラル調とみずみずしいフルーティー調を併せ持つ優れた香気特性と持続性を持っているため、香料工業において非常に重宝されている物質です。通常の使用状況では比較的安全な物質ですが、可燃性があり、目や皮膚に対して一定の刺激性を持っています。
別名:イソ酪酸フェニルエチル、フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチル=2-メチルプロパノアート

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対象機種
ガス名 イソ酪酸2-フェニルエチル 分子式
(化学式)
C12H16O2
状態 液体
無色透明からわずかに淡黄色
臭気 非常に甘く気品のある、ローズやハチミツを連想させるフローラル調に、リンゴやアプリコット、プラムのようなフルーティーなニュアンスが混ざった、持続性の高い特有の芳香
燃焼
範囲 vol%
爆発等級 1(想定) 発火度 G1
用途
  • ・調合香料原料(ローズ、ジャスミン、ピオニー、オリエンタル系の高級香水をはじめ、石鹸、シャンプー、化粧品、洗剤、柔軟剤などのトイレタリー製品に広く用いられる芳香成分)、食品フレーバー(飲料、菓子、デザート類へのリンゴ、ピーチ、ベリー、ハチミツ風の調味香料)、香料の保留剤(定着剤)。
危険
情報
  • ・可燃性の液体です(引火点:約100度から115度前後)。
  • ・化学的には比較的安定していますが、強力な酸化剤(硝酸、過酸化物など)や強酸、強塩基と接触すると反応・発熱(加水分解など)を起こす恐れがあります。加熱分解や燃焼により、一酸化炭素や二酸化炭素などの有害なガス・煙を発生します。
人体の
影響
  • ・通常の使用濃度(香料や食品フレーバーとしての希釈環境)では安全性は高いですが、原液や高濃度物質の工業的な取り扱いにおいては目、皮膚、呼吸器への刺激性に注意が必要です。
  • ・誤って飲み込んだ場合、口腔内や消化管の粘膜を刺激して吐き気や嘔吐、腹痛、下痢を引き起こすことがあります。嘔吐時などに液を肺へ誤嚥(吸い込み)した場合は、化学性肺炎を引き起こすリスクがあるため、無理に吐き出させてはなりません。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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