β-ピネン(beta-Pinene)

松柏類の精油(ターペンタイン油)などにアルファ-ピネンとともに多く含まれる、代表的な二環性テルペン炭化水素の一種です。アルファ-ピネンの構造異性体であり、分子構造内にエキソ型(環外)二重結合を持つのが特徴です。天然には松、スギ、ヒノキのほか、柑橘類の皮やハーブ類にも広く存在します。水にはほとんど溶けませんが、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼンなどの有機溶剤には任意の割合で非常によく溶けます。香料合成の重要な出発物質(テルピネオールやリナロール、ミノレン等の合成原料)として工業的に広く利用されているほか、清涼感のある森林調の香気を生かして各種芳香製品に配合されます。引火性の高い液体であり、皮膚や目への刺激性や皮膚感作性を持っているため適切な取り扱いが必要です。
別名:ベータ-ピネン、6,6-ジメチル-2-メチレンビシクロ[3.1.1]ヘプタン

レンタル
対象機種
ガス名 β-ピネン 分子式
(化学式)
C10H16
状態 液体
無色透明
臭気 松や木々を思わせる、フレッシュでウッディかつわずかにスパイシーで清涼感のある森林様の香り(アルファ-ピネンよりもややマイルドで樹木らしいグリーン感があります)
燃焼
範囲 vol%
0.8%から6.0%前後 爆発等級 1(想定) 発火度 G1
用途
  • ・香料原料(清涼感のある森林調・柑橘調の調合香料、芳香剤、化粧品、石鹸、洗剤など)、化学合成原料(リナロール、ゲラニオール、テルピネオール、ミノレン、粘着付与剤用テルペン樹脂などの合成中間体)、工業用溶剤。
危険
情報
  • ・引火点が約35度から39度前後の引火性の高い液体および蒸気です。日本の消防法上では「第四類 第二石油類(非水溶性液体)」に分類されます。
  • ・空気(酸素)や光に曝されると徐々に自己酸化して過酸化物を生成しやすく、発熱や感作性の増大を引き起こす性質があります。
人体の
影響
  • ・目や呼吸器の粘膜に対する刺激性、皮膚に対する刺激性と強い感作性(アレルギー誘発性)、および吸入による中枢神経系への影響を持っています。
  • ・直接触れると皮膚を刺激し、赤みや痛み、乾燥を引き起こします。特に空気中で酸化された過酸化物は強力な「皮膚感作性」を持つため、接触を繰り返すと化学的なアレルギー性皮膚炎(かぶれ、湿疹、かゆみ)を引き起こします。
  • ・揮発した蒸気を吸入すると、鼻、喉、気道の粘膜を刺激して咳、喉の痛み、頭痛、めまい、吐き気、不快感を引き起こします。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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