ビシクロヘプタジエン(Bicycloheptadiene)
2つの環構造(架橋環構造)を持ち、分子内に2つの二重結合を有する不飽和脂肪族環状炭化水素の一種です。化学界では一般に「ノルボルナジエン」という名称で広く知られています。シクロペンタジエンとアセチレンをディールス・アルダー反応させることで合成されます。分子内に高度な立体歪み(環歪み)と2つの反応性に富む二重結合を保持しているため、非常に高い化学的反応性を示します。光を照射すると、歪みのエネルギーを蓄えた「クアドリシクラン」という構造へ可逆的に光異性化する性質があるため、太陽光エネルギーの蓄熱・変換システムの研究対象として世界的に有名です。また、各種有機合成や遷移金属触媒の配位子(リガンド)としても極めて重要な役割を持っています。引火性が非常に高く、目や皮膚への刺激性や毒性を持つ危険な液体です。
別名:2,5-ノルボルナジエン、ノルボルナジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエン
| ガス名 |
ビシクロヘプタジエン |
分子式 (化学式) |
C7H8 |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明からごくわずかに淡黄色 |
| 臭気 |
ピリジンやシクロペンタジエン、あるいは灯油系を思わせる、特有の強烈で不快な刺激臭(炭化水素臭) |
燃焼 範囲 vol% |
1.1%から7.1%前後(想定) |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・有機合成化学原料(各種医薬品、農薬、高分子材料の製造用中間体)、光化学分野における太陽熱エネルギーの蓄積・変換材料(光異性化特性の利用)、遷移金属触媒(ロジウムやルテニウムなど)の錯体調製用配位子(リガンド)、特殊なポリマーの改質モノマー成分。
|
危険 情報 |
- ・引火点が約マイナス2度からマイナス1度前後の、極めて引火性の高い液体および蒸気です。常温をはるかに下回る温度でも一瞬で引火します。
- ・容器から漏洩すると瞬時に蒸発して拡散し、空気と混ざることで極めて容易に爆発性混合気体を形成します。
- ・化学的な特徴として、分子内の歪みが大きいため熱的にやや不安定であり、過度の加熱や光、酸化剤、金属触媒との接触によって自発的に激しい重合反応(自己重合)や分解反応を起こし、多量の反応熱を発生して容器の破裂や火災を引き起こす危険があります。
|
人体の 影響 |
- ・目、皮膚、呼吸器の粘膜に対して強い刺激性があり、吸入による中枢神経系への抑制作用(麻酔性)を持っています。
- ・大量または高濃度に吸入した場合は中枢神経系を抑制し、強い眠気やふらつき、酩酊状態を催し、最悪の場合は意識喪失や呼吸抑制を招く危険があります。
- ・液体の飛沫や濃縮された蒸気に曝されると、眼粘膜を強く刺激し、赤み、激しい痛み、涙を引き起こし、角膜を損傷する恐れがあります。
|
爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
|
|
発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
|
ビシクロヘプタジエン(Bicycloheptadiene)でお悩みならプロに相談!!