シクロヘキサン(Cyclohexane)

シクロヘキサン(Cyclohexane)とは、化学式C6H12で表される環状飽和炭化水素（シクロアルカン）の一種です。無色透明の液体で、石油のような特有の臭気があります。6個の炭素原子が環状に結合しており、その構造は安定な「いす形配座」を取ることが特徴です。ベンゼンに水素を付加することで工業的に合成されます。主にナイロンの製造原料として極めて重要な役割を担っています。また、優れた有機溶剤としての特性も持ち、様々な工業分野で利用されています。

レンタル対象機種	複合型ガス検知器（酸素/ﾒﾀﾝ/水素） XP-3318II 高感度ガス検知器コスモテクター XP-3360II-W

ガス名	シクロヘキサン		分子式 (化学式)	C₆H₁₂
状態	液体
色	無色透明
臭気	石油のような臭気
燃焼範囲 vol%	1.2 から 8.3	爆発等級	2	発火度	G2
用途	・ナイロンの原料：シクロヘキサンの最大の用途は、ナイロンの原料であるカプロラクタムやアジピン酸の製造です。シクロヘキサンを酸化することでシクロヘキサノールやシクロヘキサノンが生成され、これらがカプロラクタムを経てナイロンへと導かれます。工業用途の約9割がナイロン製造に充てられています。・有機溶剤：塗料、ワニス、樹脂、ゴム、油脂、ワックス、セルロースエーテルなどの溶剤として幅広く利用されます。洗浄液や接着剤の成分としても含まれることがあります。
危険情報	シクロヘキサンは危険性の高い物質であり、GHS分類では以下の危険有害性が示されています。・引火性の高い液体及び蒸気（H225）：引火点が低く（-20℃または-18℃）、常温でも引火性の高い蒸気を発生します。蒸気は空気より重く、低所に滞留しやすく、遠距離引火の可能性があります。裸火、火花、高温物との接触を避ける必要があります。・爆発性混合気体：蒸気は空気と爆発性混合気体を形成することがあります。
人体の影響	・吸入：蒸気を吸入すると、頭痛、めまい、吐き気、意識喪失などの症状が現れます。高濃度では麻酔作用により中枢神経系を抑制し、昏睡状態に至ることもあります。呼吸器への刺激や咳、咽頭痛も報告されています。・皮膚への接触：皮膚を刺激し、乾燥、発赤などを引き起こすことがあります。脱脂作用があるため、長時間の接触は皮膚炎の原因となります。・経口摂取：飲み込んで気道に侵入すると、誤嚥により化学性肺炎を引き起こし、生命に危険を及ぼすおそれがあります。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発等級	スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1	0.6mmを超えるもの
2	0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3	0.4mm以下のもの

発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度	発火温度
G1	450℃を超えるもの。
G2	300℃を超え450℃以下のもの。
G3	200℃を超え300℃以下のもの。
G4	135℃を超え200℃以下のもの。
G5	100℃を超え135℃以下のもの。
G6	85℃を超え100℃以下のもの。

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