ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(Hexafluoro-1,3-butadiene)
4つの炭素原子からなる1,3-ブタジエンのすべての水素原子(6個)がフッ素原子に置換された構造を持つ、完全フッ素化(ペルフルオロ)不飽和炭化水素の一種です。常温常圧では気体として存在します。水にはほとんど溶けませんが、多くの有機溶剤やフッ素系溶媒には一定量溶解します。分子内に2つの共役二重結合と高密度のフッ素原子を保持しているため、非常にユニークな反応性とプラズマ特性を示します。次世代のエレクトロニクス製造プロセスにおいて、極めて微細な回路を形成するためのエッチングガスとして注目されている物質です。可燃性があり、熱分解により極めて有害なフッ素化合物を発生するほか、吸入により人体に重大な健康障害を及ぼす危険なガスです。
別名:ヘキサフルオロブタジエン(略称:HFBD)、ペルフルオロ-1,3-ブタジエン、ペルフルオロブタジエン
| ガス名 |
ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン |
分子式 (化学式) |
C4F6 |
| 状態 |
気体 |
| 色 |
無色 |
| 臭気 |
かすかに特有の甘いエーテル様の臭気(高濃度では不快な刺激を伴うことがあります) |
燃焼 範囲 vol% |
約4.3%から18.0%前後(想定) |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・半導体・電子工業用材料(最先端の超大規模集積回路(ULSI)製造プロセスにおける、シリコン酸化膜等のドライエッチング用ガス)、フッ素系ポリマーや各種フッ素化合物の合成原料。
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危険 情報 |
- ・最大の特徴として、熱分解性・燃焼性が挙げられます。本物質が裸火や高温の熱源に接触して加熱分解、または燃焼すると、一酸化炭素や二酸化炭素だけでなく、フッ化水素やフッ化カルボニル、毒性の極めて強いオクタフルオロインボ(危険な有機フッ素分解物)などの「激しい腐食性と猛毒を持つフッ素系ガス」を大量に発生します。
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人体の 影響 |
- ・吸入による急性毒性および組織腐食性が非常に高く、健康に重大なリスクをもたらす有害物質です。
- ・気体であるため吸入リスクが最も高く、極めて危険です。蒸気やガスを吸入すると、鼻、喉、気道、肺の粘膜を激しく刺激・腐食し、激しい咳、喉の痛み、呼吸困難、頭痛、めまい、吐き気を引き起こします。高濃度を吸入した場合は、気道浮腫、重篤な化学性肺炎、および肺水腫を時間差(遅発性)で発症し、最悪の場合は呼吸不全により死に至る恐れがあります。また、腎臓や肝臓などの内臓障害、中枢神経系への抑制作用を引き起こすことが指摘されています。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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