イソブチリルクロライド(Isobutyryl chloride)

イソ酪酸のカルボキシ基から水酸基が塩素原子に置換された構造を持つ、脂肪族カルボン酸ハロゲン化物(酸塩化物)の一種です。分子内に非常に反応性の高いカルボニルクロライド基(-COCl)を有しているため、化学合成の極めて重要なビルディングブロックとして重宝されています。特に水やアルコール、アミン類と激しく反応して、それぞれイソ酪酸、イソ酪酸エステル、イソブチルアミドを高効率で生成します。この高い反応性を利用して、医薬品、農薬、染料、香料などの精密化学品を製造するための有機合成原料として広く世界中で利用されています。引火性が高く、激しい腐食性と毒性、催涙性を持つ極めて危険な液体です。
別名:塩化イソブチリル、イソ酪酸クロリド、2-メチルプロパノイルクロリド、塩化2-メチルプロピオニル

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対象機種
ガス名 イソブチリルクロライド 分子式
(化学式)
C4H7ClO
状態 液体
無色透明からごくわずかに淡黄色
臭気 塩化水素が混ざった、鼻を刺すような極めて激しい不快な酸臭・刺激臭(強力な催涙性があります)
燃焼
範囲 vol%
2.0%から12.0%前後(想定) 爆発等級 1(想定) 発火度 G1(想定)
用途
  • ・有機合成化学における各種誘導体の製造原料(医薬品、農薬、染料、香料、プラスチック添加剤の合成中間体)、イソ酪酸エステル類やアミド類の合成試薬。
危険
情報
  • ・引火性の高い液体および蒸気です(引火点:約1度から8度前後。常温でも容易に引火・燃焼します)。
  • ・最大の危険性として、水や湿気と接触すると激しく加水分解反応を起こし、多量の熱とともに有毒で腐食性の極めて強い塩化水素やホスゲンなどの有毒ガスが発生します。
人体の
影響
  • ・目、皮膚、呼吸器の粘膜に対して猛烈な腐食性と重篤な急性毒性を持っています。
  • ・揮発した蒸気や加水分解で生じた塩化水素を吸入すると、鼻、喉、気道の粘膜を激しく刺激・腐食し、激しい咳、喉の痛み、呼吸困難、胸痛を引き起こします。高濃度環境に曝された場合、気道閉塞や化学性肺炎、窒息、数時間の潜伏期を経て致命的な肺水腫を引き起こす危険があります。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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