ケテン(Ketene)
分子内にカルボニル基(C=O)と炭素・炭素二重結合(C=C)が隣り合って結合した「累加二重結合」を持つ、きわめて反応性の高い有機化合物です。ケテン類という化合物群の筆頭であり、通常は単に「ケテン」と言えば「エテノン」を指します。非常に不安定で自己重合しやすいため、工業的には保管や輸送をせず、使用する現場のプラントで酢酸やアセトンを熱分解してその場で発生させ、すぐに別の化合物(無水酢酸など)の合成原料として消費されます。
別名:エテノン、カルボメチレン
| ガス名 |
ケテン |
分子式 (化学式) |
C2H2O |
| 状態 |
気体 |
| 色 |
無色 |
| 臭気 |
きわめて強烈で、刺すような不快な窒息性刺激臭(塩素やホスゲンに類似した臭気) |
燃焼 範囲 vol% |
-(きわめて広い範囲で引火・爆発し、加熱や衝撃、重合反応による自己分解爆発の危険が先行します) |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1(想定) |
| 用途 |
- ・無水酢酸の製造(主用途)、アセチル化剤、二量化によるジケテンの製造、医薬品・農薬・染料の合成原料。
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危険 情報 |
- ・常温で気体であり、極めて高い引火性・爆発性と強い自己反応性(重合危険性)を持つ大変危険な物質です。
- ・熱、光、または微量の不純物(酸、塩基、金属など)の存在によって急激に二量化(自己重合)してジケテンに変化し、その際に激しい発熱を伴うため、密閉容器内では爆発や破裂を引き起こします。
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人体の 影響 |
- ・ホスゲンに匹敵する、極めて高い急性毒性と激しい粘膜腐食性があります。直接触れると、激しい痛み、赤み、重度の化学火傷を引き起こします。
- ・気体であるため吸入リスクが極めて高く、高濃度では肺組織を深く破壊し、吸入後数時間の潜伏期(無症状の期間)を経て、致死的な「遅発性肺水腫」を急激に発症する危険性があります。最悪の場合、窒息により死に至ります。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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