メチルエチルケトンパーオキサイド(Methyl ethyl ketone peroxide)

メチルエチルケトン(MEK)と過酸化水素を反応させて製造される、代表的な有機過酸化物の一種です。産業界では「MEKPO」という略称で広く知られています。分子内に非常に不安定な「ペルオキシ構造(-O-O-)」を複数持っており、極めて強い自己反応性と酸化力を持っています。純粋なものは衝撃や加熱によって猛烈に爆発するため、工業製品としては安全のために必ずジメチルフタレート(DMP)などの不揮発性希釈剤(可塑剤)で30%から55%程度に希釈した「溶液」の状態で流通・使用されます。主にFRP(繊維強化プラスチック)などを製造する際、ポリエステル樹脂を常温で速やかに硬化させるための重合開始剤(硬化剤)として不可欠な物質です。
別名:メチルエチルケトンペルオキシド、2ブタノンペルオキシド、MEKPO

レンタル
対象機種
ガス名 メチルエチルケトンパーオキサイド 分子式
(化学式)
C8H16O4
状態 液体
無色透明
臭気 かすかにミント(ハッカ)のような爽やかさを伴う、特有の鋭い刺激臭
燃焼
範囲 vol%
-(自己反応性物質であるため、通常の気体のような燃焼範囲という概念ではなく、物質自体が加熱や衝撃で爆発的に分解燃焼します) 爆発等級 発火度
用途
  • ・不飽和ポリエステル樹脂やアクリル樹脂の常温硬化用重合開始剤(FRP成形、ボタン、化粧板、自動車の補修用パテなどの硬化剤)、ビニルエステル樹脂の硬化剤。
危険
情報
  • ・極めて激しい自己反応性(加熱・衝撃による爆発危険性)と強酸化性を持つ、極めて危険な物質です。
  • ・引火点(約50度から80度前後、希釈剤による)以上の加熱だけでなく、熱、光、直射日光、または衝撃、摩擦によって、激しい発熱を伴う自己分解を起こし、最悪の場合は激しく爆発します。
  • ・特にナフテン酸コバルトなどの「硬化促進剤」の原液、あるいは強酸、強塩基、還元性物質、鉄やくぎなどの金属類と直接接触すると、常温であっても一瞬で爆発的な分解反応(発火・爆発)を起こします。
人体の
影響
  • ・極めて強い腐食性と組織破壊性を持っており、特に目に対しては一滴触れただけでも失明する恐れがあるため、最高度の警戒が必要です。
  • ・蒸気やミストを吸入すると、鼻、喉、気道の粘膜を激しく刺激して激しい咳、喉の痛み、呼吸困難を引き起こし、高濃度では肺水腫を招く危険があります。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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