メチルターシャルブチルエーテル(Methyl tert-butyl ether)

脂肪族エーテルの一種で、メチル基とターシャルブチル(t-ブチル)基がエーテル結合した構造を持つ有機化合物です。産業界では「MTBE」という略称で広く知られています。かつては自動車用ガソリンのオクタン価を高めるためのノッキング防止剤(環境に有害な加鉛ガソリンに代わる「無鉛オクタン価向上剤」)として世界中で大量にブレンド使用されていました。しかし、地下貯蔵タンクなどからの漏洩による地下水汚染や、水に独特の不快な臭気・味をつける問題が深刻化したため、現在では日本や米国をはじめとする多くの国でガソリンへの添加が原則として禁止、または厳しく制限されています。揮発性が極めて高く、非常に引火しやすい危険な液体です。
別名:メチル-t-ブチルエーテル、2-メトキシ-2-メチルプロパン、MTBE

レンタル
対象機種
ガス名 メチルターシャルブチルエーテル 分子式
(化学式)
C5H12O
状態 液体
無色透明
臭気 アセトンやテルペン類に類似した、特有のシャープでやや甘い刺激的なエーテル臭(水に極めて微量混入しただけでも感知できるほど、臭気が残りやすい特徴があります)
燃焼
範囲 vol%
1.6%から8.4%前後 爆発等級 1 発火度 G1
用途
  • ・有機合成化学における反応溶媒・抽出溶剤(ジエチルエーテルやテトラヒドロフランの代用品として)、医薬品・農薬の製造プロセスにおける精製溶剤、クロマトグラフィー分析用の移動相(有機溶剤)、一部の国における特殊燃料添加剤。
危険
情報
  • ・極めて引火性の高い液体および蒸気です(引火点:約マイナス28度前後。常温以下であっても激しく揮発して一瞬で引火します)。
  • ・一般的なエーテル類(ジエチルエーテルなど)に比べると空気中で有機過酸化物を形成しにくい部類ですが、長期間の保管や光による劣化では過酸化物を生成する可能性があるため、濃縮や蒸留時の爆発には注意が必要です。
人体の
影響
  • ・目や皮膚、呼吸器に対して刺激性があり、高濃度環境では中枢神経系を抑制する作用(麻酔性)を示します。
  • ・大量に吸入した場合は中枢神経系を抑制し、めまい、吐き気、嘔吐、歩行千鳥足、強い眠気を催し、高濃度環境では意識喪失や呼吸抑制を招く危険があります。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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