メチルビニルケトン(Methyl vinyl ketone)
最も単純な構造を持つ不飽和ケトンの一種です。分子内にカルボニル基(ケトン構造)と、反応性が極めて高いビニル基(炭素・炭素二重結合)を併せ持っています。この特異な構造により、有機合成化学において「マイケル付加反応」や「ディールス・アルダー反応」などの重要な化学反応を行う際の優れた試薬(アルキル化剤・電子受容体)として多用されています。また、各種プラスチックや合成ゴムの原料(モノマー)としても重要です。非常に引火しやすく、かつ極めて強い急性毒性と激しい催涙性・皮膚腐食性を持つため、化学物質の中でも取り扱いに最高度の警戒を要する危険物質の一つです。
別名:3-ブテン-2-オン、MVK、ビニルメチルケトン
| ガス名 |
メチルビニルケトン |
分子式 (化学式) |
C4H6O |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明から淡黄色 |
| 臭気 |
鼻や目を激しく刺すような、極めて強烈で不快な刺激臭(強い催涙性があります) |
燃焼 範囲 vol% |
2.1%から15.6%前後 |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1(想定) |
| 用途 |
- ・有機合成化学における反応試薬(マイケル付加などの各種有機化合物の合成ベース)、医薬品や農薬・香料の合成中間原料、高分子化学におけるプラスチック・合成樹脂・高分子共重合体(コポリマー)の製造用モノマー。
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危険 情報 |
- ・引火点が約マイナス7度前後の、高度に引火性の高い液体および蒸気であり、同時に極めて激しい自己反応性・重合危険性を持つ大変危険な物質です。
- ・常温の作業環境下であっても火源があれば爆発的に引火・燃焼し、空気と混ざることで広範囲な爆発性混合気体を形成します。
- ・光や熱、または酸、塩基、過酸化物などの不純物が混入すると、激しい発熱を伴う「暴走重合反応(ポリマー化)」を非常に起こしやすいです。
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人体の 影響 |
- ・極めて強力な急性毒性と、凄まじい組織刺激性・腐食性を持っています。吸入、皮膚接触、経口のすべての経路において、わずかな量であっても生命に危険を及ぼします。
- ・揮発した蒸気を吸入すると、猛烈な催涙、激しい咳、喉の痛み、呼吸困難から始まり、急速に「肺水腫(肺に水が溜まる状態)」を引き起こして窒息死に至る危険性が非常に高いです。
- ・直接触れると皮膚組織を激しく腐食し、重度の化学熱傷や水疱を形成します。さらに、皮膚からも極めて容易に吸収(経皮吸収)されて全身中毒を引き起こし、命に関わります。繰り返しの接触は深刻な皮膚アレルギーを誘発します。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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