モノメチルヒドラジン(Monomethylhydrazine)
ヒドラジンの水素原子1つがメチル基に置換された構造を持つ、揮発性の脂肪族ヒドラジン誘導体です。産業・軍事分野では「MMH」という略称で広く知られています。非常に強力な還元剤であり、四酸化二窒素などの酸化剤と接触するだけで火花を必要とせず自然に発火する「自己着火性(ハイパーゴリック)」という極めて特殊な性質を持っています。この特性から、宇宙開発におけるロケットや人工衛星、宇宙船の推進剤(燃料)として世界中で不可欠な物質となっています。極めて引火しやすく、強烈な毒性と発がん性、腐食性を併せ持つ極めて危険な物質です。
別名:メチルヒドラジン、1-メチルヒドラジン、MMH
| ガス名 |
モノメチルヒドラジン |
分子式 (化学式) |
CH6N2 |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明 |
| 臭気 |
アンモニアや魚臭に類似した、特有のツンとする鋭く不快な刺激臭(アミン臭) |
燃焼 範囲 vol% |
2.5%から92%前後 |
爆発等級 |
2(想定。火炎の伝播速度が非常に速いです) |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・宇宙ロケット、人工衛星、宇宙船(スペースシャトルや探査機など)の姿勢制御用・推進用ロケットエンジン燃料(液体推進剤)、有機合成化学における医薬品、農薬、染料などの合成原料。
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危険 情報 |
- ・引火性の高い液体および蒸気です(引火点:約マイナス8度からマイナス2度前後。常温以下でも激しく気化し、極めて容易に引火します)。
- ・空気と混ざることで広範囲な爆発性混合気体を形成し、熱、火花、摩擦、衝撃によって容易に爆発的燃焼を起こします。
- ・最大の特徴として、強力な酸化剤(過酸化水素、硝酸、四酸化二窒素、フッ素など)や多孔質物質(錆、木くず、布など)と接触すると、点火源がなくても接触した瞬間に激しく自然発火・爆発(自己着火)します。
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人体の 影響 |
- ・極めて強い急性毒性(吸入、皮膚吸収、経口)があり、組織への激しい腐食性、および顕著な発がん性を持っています。
- ・体内に吸収されると、中枢神経系を激しく刺激して痙攣(けいれん)や意識喪失を招き、重篤な場合は肺水腫や肝臓・腎臓の機能不全、溶血性貧血を引き起こして死亡に至ります。
- ・直接触れると、強いアルカリ性と還元性により皮膚組織を激しく腐食し、深刻な化学熱傷を引き起こします。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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