モルホリン(Morpholine)

分子内にエーテル結合(酸素原子)と二次アミン(窒素原子)を併せ持つ、六員環構造の複素環式有機化合物です。アミンとしての塩基性と、エーテルとしての優れた溶解力を高い次元で両立しているため、水にも多くの有機溶剤にも極めてよく混ざり合う(全蜜する)という非常にユニークな相溶性を持っています。この特性から、工業用の溶剤や酸性ガス吸収剤、金属の防錆剤(アミン系防錆剤)として世界中で極めて広く利用されています。また、様々な医薬品や農薬、ゴム用薬品を製造するための重要な化学合成のビルディングブロックでもあります。引火性があり、強い腐食性と特有の毒性を持つ危険な液体です。
別名:テトラヒドロ-1,4-オキサジン、ジエチレンイミドオキシド、1,4-オキサジナン

レンタル
対象機種
ガス名 モルホリン 分子式
(化学式)
C4H9NO
状態 液体
無色透明
臭気 アンモニアやピリジンに類似した、特有のツンとする不快で鋭い刺激臭(アミン臭)
燃焼
範囲 vol%
1.4%から11.2%前後 爆発等級 1(想定) 発火度 G1
用途
  • ・火力発電所や大型ボイラーの給水系における防錆剤・防食剤(pH調整による炭酸腐食の防止)、ゴムの加硫促進剤の製造原料、医薬品(鎮痛剤、抗生物質など)や農薬(殺菌剤など)の合成中間体、樹脂、ワックス、染料の工業用溶剤、果物(リンゴやシトラスなど)の収穫後コーティング用ワックスの乳化剤、酸性ガス(二酸化炭素や硫化水素)の吸収剤。
危険
情報
  • ・引火性の高い液体および蒸気です(引火点:約32度から38度前後。常温でも火源があれば容易に引火・燃焼します)。
  • ・アルカリ性物質(塩基)であるため、強酸、強塩基、強力な酸化剤と接触すると激しく反応・発熱します。また、ニトロソ化剤(亜硝酸塩など)と接触すると、発がん性の疑われるニトロソモルホリンを容易に生成するため厳重な警戒が必要です。
人体の
影響
  • ・アルカリ性の強い物質であるため、目、皮膚、呼吸器の粘膜に対して強い刺激性と激しい組織腐食性を持っています。
  • ・蒸気に曝されるだけでも激しい痛み、赤み、涙、視力低下(一時的に物が青白く見える「角膜浮腫」現象など)を引き起こし、液体の飛沫が直接目に入った場合は角膜を激しく損傷し、失明に至るリスクが非常に高いです。
  • ・皮膚からも容易に吸収(経皮吸収)され、吸入時と同様の全身的な毒性(肝臓や腎臓の障害)を招く恐れがあるため注意が必要です。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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