N-メチル-2-ピロリドン(N-Methyl-2-pyrrolidone)
5員環の窒素複素環化合物(ラクタム類)の一種である構造を持つ、極性の高い非プロトン性有機溶剤です。産業界では一般的に「NMP」という略称で広く親しまれています。水をはじめ、ほとんどの有機溶媒と任意の割合で完全に混ざり合う極めて優れた溶解力(相溶性)を持っています。熱的・化学的に非常に安定しており、高沸点(約202度)で揮発しにくいことから、エレクトロニクス分野や石油化学分野、高分子化学分野など、近代のハイテク産業において必要不可欠な汎用溶媒として大量に使用されています。
別名:1-メチル-2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-メチルピロリジノン、NMP
| ガス名 |
N-メチル-2-ピロリドン |
分子式 (化学式) |
C5H9NO |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明からごくわずかに淡黄色 |
| 臭気 |
かすかにアミン(アンモニア)に似た、あるいは特有の穏やかなマイルドな有機溶剤臭 |
燃焼 範囲 vol% |
1.3%から9.5%前後 |
爆発等級 |
1 |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・リチウムイオン二次電池の製造(正極材のバインダー溶解・スラリー調製)、半導体や液晶ディスプレイの製造プロセス(フォトレジストの剥離剤、高精度洗浄剤)、耐熱性高分子(ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンなど)の重合溶媒および成形溶剤、石油化学における芳香族化合物の抽出蒸留溶剤。
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危険 情報 |
- ・引火点が約91度から95度前後の可燃性の液体です。
- ・日本の消防法上では「第三石油類」に分類されます。常温での引火危険性は比較的低いですが、加熱された場合や、高温の熱源・火源に接触すると燃焼します。
- ・加熱分解や燃焼により、有毒な窒素酸化物(NOx)や一酸化炭素、二酸化炭素などのガスを発生します。
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人体の 影響 |
- ・目や皮膚に対して刺激性があり、高い皮膚吸収性(経皮吸収)を持っています。また、最大の特徴として「生殖毒性(胎児への悪影響)」が指摘されているため、妊娠中の女性の取り扱いには特に厳重な警戒が必要です。
- ・非常に優れた皮膚透過性(経皮吸収性)を持っているため、液が皮膚に付着すると容易に体内に吸収され、全身への影響を及ぼす恐れがあります。
- ・各国の化学物質評価において、胎児の発育に悪影響を及ぼす恐れ(生殖能または胎児への悪影響のおそれ)が強く指摘されています。このため、国内外の規制(欧州のREACH規則など)において、使用や曝露の低減が厳しく求められています。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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