ナフタレン(Naphthalene)
2つのベンゼン環が2つの炭素原子を共有して縮合した構造を持つ、最も単純な多環芳香族炭化水素(PAH)の一種です。コールタールに多く含まれており、古くから防虫剤(樟脳の代用品)として家庭で広く親しまれてきました。常温の固体から直接気体に変化する「昇華性」が極めて強いというユニークな物理的特性を持っています。産業界では、プラスチックの原料となる無水フタル酸や、各種染料、界面活性剤などを製造するための極めて重要な化学合成原料として大量に利用されています。可燃性があり、特有の毒性や発がん性の懸念を持つ危険な固体です。
別名:ナフタリン、タール樟脳
| ガス名 |
ナフタレン |
分子式 (化学式) |
C10H8 |
| 状態 |
固体 |
| 色 |
白色 |
| 臭気 |
衣服の防虫剤(いわゆるナフタリン)そのものの、非常に強烈で特有の浸透性のあるタール臭・芳香臭 |
燃焼 範囲 vol% |
0.9%から5.9%前後 |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・化学工業原料(無水フタル酸、染料中間体、合成樹脂、界面活性剤、コンクリート混和剤(ナフタレン系減水剤)の製造原料)、かつては家庭用の衣類防虫剤やトイレの消臭剤(現在はピレスロイド系やパラジクロロベンゼンへの移行が進んでいます)。
|
危険 情報 |
- ・可燃性の固体です(引火点:約79度から88度前後)。微粉末が空気中に浮遊すると「粉塵爆発」を起こす危険性が非常に高いです。昇華した蒸気は空気と混ざることで爆発性混合気体を形成します。
|
人体の 影響 |
- ・目や呼吸器の粘膜に対する刺激性があり、血液(赤血球)に対する特有の毒性(溶血性貧血)や発がん性の懸念を持っています。
- ・誤って飲み込んだ場合(特に子供の防虫剤の誤飲など)、口腔内や消化管の粘膜を刺激して激しい腹痛、吐き気、下痢、けいれんを引き起こし、重篤な溶血性貧血や急性腎不全を招いて生命に危険を及ぼすリスクが極めて高いです。
- ・国際がん研究機関(IARC)の評価において「ヒトに対して発がん性の恐れがある物質(グループ2B)」に分類されており、日本の労働安全衛生法でも厳しく規制されています。
|
爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
|
|
発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
|
ナフタレン(Naphthalene)でお悩みならプロに相談!!