一酸化窒素(Nitric oxide)
窒素と酸素からなる無機化合物であり、窒素酸化物(NOx)の一種です。化学的には不対電子を1つ持つ安定な自由基(フリーラジカル)であり、非常に高い反応性を持っています。大気汚染物質や酸性雨の原因物質(工場排気や自動車の排ガス由来)として知られる一方、生体内においては血管拡張作用や神経伝達物質、免疫反応などに関わる極めて重要なシグナル伝達分子(生理活性物質)としての側面を持っています。産業界では、硝酸を製造する際の中間体や、医療用の吸入ガスとして、また化学分析用の標準ガスとして利用されています。自身は燃えませんが、強力な酸化性があり、極めて高い毒性と吸入危険性を持つ高圧ガス(毒性ガス・液化ガス)です。
別名:酸化窒素、モノオキシド窒素
| ガス名 |
一酸化窒素 |
分子式 (化学式) |
NO |
| 状態 |
気体(高圧ガス) |
| 色 |
無色(酸素と接触すると酸化されて赤褐色へ変化) |
| 臭気 |
無臭、またはかすかに刺激的な酸臭(空気中に漏洩した場合は、急速に生成される二酸化窒素による刺すような激しい不快な刺激臭を感じます) |
燃焼 範囲 vol% |
– |
爆発等級 |
– |
発火度 |
– |
| 用途 |
- ・医療用(新生児の高肺血流性呼吸不全や心臓手術後の肺高血圧症治療のための吸入薬)、化学工業原料(硝酸や有機窒素化合物の製造中間体)、環境分析や大気汚染測定における校正・標準ガス、半導体製造プロセスにおける酸化剤・エッチング用ガス。
|
危険 情報 |
- ・自身は燃焼しませんが、強い酸化性を持つ高圧ガス(不燃性・酸化性・毒性ガス)です。
- ・最大の危険性として、空気(酸素)に触れると自発的かつ極めて速やかに激しく発熱・反応し、より有害で腐食性の高い二酸化窒素(NO2)へと変化します。水や湿気と反応すると亜硝酸や硝酸を生じ、金属を激しく腐食します。
|
人体の 影響 |
- ・目や呼吸器の粘膜に対して猛烈な刺激性と強い腐食性を示し、吸入すると重篤な急性毒性および全身性の中毒を引き起こします。
- ・体内に吸収されると血液中のヘモグロビンと強力に結合して「メトヘモグロビン」を形成し、血液の酸素運搬能力を著しく低下させ、チアノーゼや重篤な酸素欠乏症(窒息状態)を招きます。また、数時間から数十時間の潜伏期を経て、致命的な「肺水腫」を突発的に引き起こす危険性が極めて高いです。
|
爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
|
|
発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
|
一酸化窒素(Nitric oxide)でお悩みならプロに相談!!