ニトロベンゼン(Nitrobenzene)

ベンゼン環の水素原子1つがニトロ基(-NO2)に置換された構造を持つ、最も単純な芳香族ニトロ化合物の一種です。ニトロ基の強力な電子吸引性により、極性が非常に高く、水にはほとんど溶けないものの多くの有機溶剤とよく混ざり合います。産業界においては、医薬品、農薬、染料、ポリウレタン樹脂などの製造に欠かせない「アニリン」を化学合成するための極めて重要な中間原料として世界中で大規模に生産されています。引火性があり、血液や神経系に対する強烈な毒性と皮膚吸収性、さらに発がん性の懸念を持つ極めて危険な液体です。
別名:ニトロベンゾール、ミラバイン油、苦扁桃油(人工)

レンタル
対象機種
ガス名 ニトロベンゼン 分子式
(化学式)
C6H5NO2
状態 液体
淡黄色
臭気 アーモンド(杏仁)や桃の種、あるいは靴墨に類似した、特有の強く甘い芳香・刺激臭(苦扁桃油に似た臭気)
燃焼
範囲 vol%
1.8%から40.0%前後 爆発等級 1(想定) 発火度 G1
用途
  • ・化学工業原料(アニリン、ベンジジン、アゾ染料、医薬品(アセトアミノフェンなど)、農薬の合成中間体)、セルロース誘導体や各種樹脂の工業用溶剤、かつては石鹸や靴墨の安価な芳香・着色剤としても利用されていました。
危険
情報
  • ・可燃性の液体および蒸気です(引火点:約88度前後)。
  • ・常温での引火危険性は比較的低いですが、加熱された状態や高温の作業環境下、直接の裸火や火花に接触した場合は容易に引火・燃焼します。
  • ・化学的な特徴として、ニトロ基を保持しているため、強力な還元剤(金属粉と酸の組み合わせなど)と接触すると激しく反応してアニリンへと変化し、その際に多量の反応熱を発生します。
人体の
影響
  • ・目や呼吸器の粘膜に対する刺激性があり、血液(赤血球)に対する強力な毒性(メトヘモグロビン血症)と重篤な神経毒性を持っています。
  • ・最大の警戒点として、蒸気の吸入だけでなく「皮膚から極めて容易に吸収(経皮吸収)」されるため、直接触れることは絶対に避けなければなりません。
  • ・国際がん研究機関(IARC)の評価において「ヒトに対して発がん性の恐れがある物質(グループ2B)」に分類されており、日本の労働安全衛生法でも厳しく規制されています。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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