オキサリルジブロマイド(Oxalyl dibromide)
シュウ酸(オキサリル酸)の2つのヒドロキシ基が臭素原子に置換された構造を持つ、ジカルボン酸ハロゲン化物(酸ハロゲン化物)の一種です。類似物質であるオキサリルクロライド(シュウ酸塩化物)の臭素誘導体にあたります。分子内に2つの極めて反応性に富む臭化カルボニル基を保持しているため、水分(湿気)に対して非常に敏感であり、激しく加水分解する性質を持っています。有機合成化学の分野において、アルコールから臭化物を製造する試薬や、分子内にカルボニル基や臭素を導入するための強力な官能基化試薬、あるいは特殊な医薬品や精密化学品の合成中間体として利用されています。湿気を含む空気と接触することで強酸性の有害ガスを放ち、目や皮膚、呼吸器を激しく侵す極めて腐食性の高い危険な物質です。
別名:シュウ酸臭化物、臭化オキサリル、ジ臭化オキサリル
| ガス名 |
オキサリルジブロマイド |
分子式 (化学式) |
C2Br2O2 |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色透明から淡黄色、またはわずかに褐色明 |
| 臭気 |
刺すような激しい刺激臭、酸臭(空気中の水分と反応して発生する臭化水素特有の、鼻や喉を突く強烈な酸性臭) |
燃焼 範囲 vol% |
– |
爆発等級 |
– |
発火度 |
– |
| 用途 |
- ・有機合成化学試薬(アルコールの臭素化試薬、カルボン酸からの酸臭化物の調製試薬、アジリジンやラクタム等の環状化合物の合成原料)、医薬品や農薬、機能性材料などの精密化学品製造における合成中間体。
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危険 情報 |
- ・物質自体は基本的には不燃性ですが、水分との反応性が極めて高く、危険な化学的性質を持っています。
- ・水分(水、空気中の湿気)と接触すると「激しく加水分解」を起こし、多量の反応熱を発生しながら、腐食性の極めて高い有毒ガスである臭化水素(HBr)や、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)のガス・白煙を大量に放出します。
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人体の 影響 |
- ・目、皮膚、呼吸器のすべての粘膜に対して、猛烈な腐食性と組織破壊性(化学熱傷)を持っています。
- ・空気中で発生した臭化水素ガスや本物質の蒸気を吸入すると、鼻、喉、気道、肺の粘膜を激しく刺激・腐食し、猛烈な咳、喉の痛み、呼吸困難、胸部の圧迫感を引き起こします。高濃度を吸入した場合は、気道浮腫や化学性肺炎、遅発性の肺水腫を引き起こし、窒息による致命的な状態に陥る危険が極めて高いです。
- ・直接触れると、皮膚の水分と反応して臭化水素を生成し、激しい痛みや重篤な化学熱傷(皮膚のただれ、組織壊死)を引き起こします。重症化しやすいため、一滴の接触も許されません。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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