石油エーテル(Petroleum ether)

石油の精製過程(蒸留)において、主に沸点が約30度から80度前後の非常に軽質な留分を回収して得られる、ペンタンやヘキサンを主成分とする低沸点の脂肪族飽和炭化水素(アルカン)の混合物です。「エーテル」という名前が付いていますが、化学構造としてのエーテル結合(C-O-C)は一切含んでおらず、揮発性が極めて高くジエチルエーテルのように扱いやすいことからこの名があります。水には一切溶けませんが、エタノールやジエチルエーテル、ベンゼンなどの多くの有機溶剤には任意の割合で非常によく溶けます。各種の油脂、ワックス、樹脂、ゴムを強力に溶解する能力を持つため、化学実験室や工業用途において、安価で優秀な抽出用溶剤や洗浄溶剤として広く使用されています。極めて引火性が高く、蒸気の吸入による麻酔性や目・皮膚に対する刺激性を持つ非常に危険な液体です。
別名:リグロイン(やや沸点範囲が高いものを指す場合があります)、石油ベンジン、ベンジン

レンタル
対象機種
ガス名 石油エーテル 分子式
(化学式)
特定の単一式はありません(炭化水素の混合物)
状態 液体
無色透明
臭気 特有の軽質石油臭、ガソリン臭(ガソリンに比べてややマイルドですが、ツンとする揮発臭があります)
燃焼
範囲 vol%
1.1%から5.9%前後 爆発等級 1(想定) 発火度 G1
用途
  • ・工業用・実験室用溶剤(油脂、脂肪、油、樹脂、ワックス、ゴム、エッセンシャルオイルの抽出および溶解用)、精密機械パーツや電子部品、光学レンズの脱脂洗浄剤、衣類や繊維製品のしみ抜き剤・ドライクリーニング溶剤、有機合成化学における再結晶用溶媒・カラムクロマトグラフィー用移動相。
危険
情報
  • ・極めて引火性の高い液体および蒸気です(引火点:約マイナス40度からマイナス20度前後。氷点下であっても激しく引火・爆発します)。点火源(火花、裸火、静電気、摩擦熱、高温の壁面)がある場合は一瞬で爆発的な燃焼を起こします。
人体の
影響
  • ・目や呼吸器の粘膜に対する刺激性、および強力な中枢神経系への抑制作用(麻酔性)があります。
  • ・大量または高濃度に吸入した場合は中枢神経系を強く抑制し、強い眠気や酩酊状態、ふらつき、運動失調、歩行困難を催し、高濃度環境に曝され続けると意識喪失、呼吸抑制、最悪の場合は窒息死に至る危険があります。主成分のヘキサンの影響により、長期にわたり日常的に吸入し続けると末梢神経障害(多発性神経炎、手足のしびれや筋力低下)を引き起こすことが知られています。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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