クロロぎ酸フェニル(Phenyl chloroformate)
クロロぎ酸(ホスゲンの片方の塩素原子がヒドロキシ基に置換された構造)とフェノールがエステル結合した構造を持つ、芳香族クロロぎ酸エステルの一種です。分子内に反応性の極めて高い酸塩化物(カルボニル塩化)構造とエステル構造を併せ持っています。水と接触すると激しく加水分解して、塩化水素やフェノール、二酸化炭素を発生します。アルコール類と反応して炭酸エステル(カーボネート)を形成し、アミン類と反応してウレタン(カルバメート)結合を形成するため、有機合成化学の分野で汎用される重要な縮合試薬・官能基保護試薬です。極めて高い組織腐食性と激しい催涙性、吸入時の強い毒性を持つ危険な液体です。
別名:クロロ炭酸フェニル、クロロカルボン酸フェニル、クロロギ酸フェニル
| ガス名 |
クロロぎ酸フェニル |
分子式 (化学式) |
C7H5ClO2 |
| 状態 |
液体 |
| 色 |
無色から淡黄色 |
| 臭気 |
強烈で刺激的な、ツンとする酸臭および催涙性を伴うホスゲン・塩化水素様の不快臭 |
燃焼 範囲 vol% |
– |
爆発等級 |
1(想定) |
発火度 |
G1 |
| 用途 |
- ・有機合成化学試薬・中間体原料(医薬品、農薬、染料などの製造におけるフェニルカーボネート基やウレタン結合の導入剤)、アミノ基やヒドロキシ基の保護試薬、ペプチド合成における縮合剤。
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危険 情報 |
- ・引火点が約69度から73度前後の可燃性の液体および蒸気です。
- ・水分(空気中の湿気を含む)と接触すると、激しく加水分解を起こして「腐食性・毒性のある塩化水素ガス」およびフェノールを発生するため、湿気や水を完全に遮断する必要があります。加熱分解や燃焼により、塩化水素、ホスゲン、一酸化炭素、二酸化炭素などの猛毒かつ腐食性のガス・煙を大量に発生します。
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人体の 影響 |
- ・目、皮膚、呼吸器のすべての粘膜に対して極めて強力な組織腐食性と激しい急性毒性(吸入、経皮、経口)を持っています。
- ・蒸気には強い催涙性があります。直接触れると、皮膚の組織を急速に腐食・破壊し、激しい痛みや赤み、水疱、重篤な化学熱傷(ただれや壊死)を引き起こします。液体の飛沫や濃縮された蒸気が目に触れた場合、眼組織を激しく腐食します。
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爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値
爆発 等級 |
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値 |
| 1 |
0.6mmを超えるもの |
| 2 |
0.4mmを超え、0.6mm以下のもの |
| 3 |
0.4mm以下のもの |
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発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。
| 発火度 |
発火温度 |
| G1 |
450℃を超えるもの。 |
| G2 |
300℃を超え450℃以下のもの。 |
| G3 |
200℃を超え300℃以下のもの。 |
| G4 |
135℃を超え200℃以下のもの。 |
| G5 |
100℃を超え135℃以下のもの。 |
| G6 |
85℃を超え100℃以下のもの。 |
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