ピロール(Pyrrole)

1つの窒素原子を含む5員環の複素環芳香族化合物(アゾール類)の一種です。コールタールや骨油中に含まれるほか、フランとアンモニアの反応(パール・クノール合成等)などによって工業的に合成されます。水には溶けにくい(微溶)ですが、エタノール、ジエチルエーテル、ベンゼン、クロロホルムなどの多くの有機溶剤に任意の割合で極めてよく溶けます。分子内に4π電子系と窒素の孤立電子対による6π電子芳香族性を持ち、生体内ではポルフィリン環(ヘモグロビンやクロロフィル等)やビタミンB12、抗物質などの基本骨格として極めて重要な役割を果たしています。導電性高分子(ポリピロール)の原料や、医薬品、農薬、色素、有機反応用試薬・溶剤として幅広く使用されています。引火性のある可燃性液体であり、光や空気に触れると容易に酸化・重合して着色・樹脂化する性質を持つため適切な取り扱いが必要です。
別名:アゾール、1H-ピロール、イミドール

レンタル
対象機種
ガス名 ピロール 分子式
(化学式)
C4H5N
状態 液体
無色から淡黄色
臭気 特有の不快なクロロホルム様・アミン臭(クロロホルムに似た甘い刺激臭、または不快なナッツ様・薬品臭)
燃焼
範囲 vol%
3.1%から14.5%前後 爆発等級 1(想定) 発火度 G1
用途
  • ・導電性高分子(ポリピロール)のモノマー原料、ポルフィリン化合物の合成原料、医薬品・農薬の合成中間体、色素・有機半導体材料の製造原料、有機合成化学試薬・溶剤。
危険
情報
  • ・引火点が約36度から39度前後の、引火性の高い液体および蒸気です。常温で引火する危険性があり、加熱された状態や直接の裸火、火花、静電気に接触した場合は容易に引火・燃焼します。
  • ・光や酸素(空気)、酸(鉱酸等)の存在下で容易に自己重合・酸化反応を起こし、赤褐色~黒色のポリマー(ピロールレッド等)を生成・発熱する傾向があります。
人体の
影響
  • ・皮膚・眼への強い刺激性、急性毒性(吸入・経口・経皮)、ならびに大量吸入・吸収による中枢神経系や内臓への影響を持っています。
  • ・高濃度の蒸気を吸入した場合は中枢神経系が抑制され、不快感や意識低下を引き起こす危険があります。
  • ・皮膚から吸収されると中枢神経障害や内臓(肝臓・腎臓等)障害を引き起こすリスクがあります。

爆発等級の分類
爆発等級は、爆発性ガスの標準容器による火災逸走を生ずるスキの最小値

爆発
等級
スキの奥行25mmにおいて火炎逸走を生ずるスキの最小値
1 0.6mmを超えるもの
2 0.4mmを超え、0.6mm以下のもの
3 0.4mm以下のもの
  発火度の分類
発火度は、爆発性ガスの発火温度に従って、下表のように6等級に分類する。

発火度 発火温度
G1 450℃を超えるもの。
G2 300℃を超え450℃以下のもの。
G3 200℃を超え300℃以下のもの。
G4 135℃を超え200℃以下のもの。
G5 100℃を超え135℃以下のもの。
G6 85℃を超え100℃以下のもの。


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