コンクリート・インフラ点検に使われる測定器のご紹介

コンクリート構造物の点検では、「内部がどうなっているか(非破壊検査)」「強度は十分か」「表面の劣化はどの程度か」という3つの視点が重要です。目的に合わせた最適な測定器の選定ガイドをご紹介します。
1. 内部を探査する(鉄筋の位置・かぶり厚の確認)
コンクリートを削ることなく、内部の鉄筋位置や配筋状態、埋設物を確認するために使用します。電磁波レーダー方式と電磁誘導方式があり、深さや目的に応じて使い分けます。
- 広範囲をスピーディに可視化したい場合:
ハンディサーチ NJJ-200 / NJJ-105(日本無線):電磁波レーダー方式の定番です。コンクリート内部の鉄筋や空洞、塩ビ管などを画像で確認でき、現場でのマーキングに最適です。 - 高精度に鉄筋径やかぶり厚を測定したい場合:
プロフォメーター PM-630(エフティエス):電磁誘導方式を用いて、鉄筋の位置だけでなく「かぶり厚」をミリ単位で正確に測定します。
フェロスキャン PS300(ヒルティ):広範囲の配筋状態をスキャニングし、解析ソフトで詳細なレポート作成が可能です。
2. 強度を推定する(圧縮強度の確認)
構造物の老朽化診断や施工管理において、現在のコンクリートがどの程度の強度を持っているかを測定します。
- 最も一般的な反発硬度法:
シュミット コンクリートハンマー N(富士物産):世界的に普及しているスタンダードな機種です。打撃時の反発値から圧縮強度を推定します。 - デジタル管理・高精度な測定を行いたい場合:
シルバーシュミット(エフティエス):従来のハンマーより測定誤差が少なく、デジタル表示でデータ管理も容易です。
コンクリートテスター CTS-02 Ver4(日東建設):打撃による音圧や振動を解析し、強度だけでなく表面の剥離状態も同時に診断できる多機能モデルです。
3. ひび割れ(クラック)を診断する
表面に現れたひび割れが、どの程度の深さまで達しているかを判定します。補修の緊急性を判断する重要な指標となります。
- ひび割れの「幅」を測る:
クラック幅測定器 クラックアイ(三協エンジニアリング):目視やクラックスケールよりも正確に、微細なひび割れ幅を測定・記録できます。 - ひび割れの「深さ」を測る:
亀裂深度計 RMG4015(日本マテック):超音波や電気抵抗を利用し、表面からは見えないクラックの到達深さを非破壊で測定します。
4. 部材の厚みや劣化因子を調べる
トンネルの覆工コンクリートや橋梁の床版など、片面からしかアクセスできない場所の厚みを測定します。
- コンクリートの厚み測定:
衝撃弾性波コンクリート厚さ計 CTG2(キーテック):鋼球打ち込みによる弾性波を利用し、最大約60cmまでのコンクリート厚を測定可能です。 - 塗装や被膜の厚み測定:
超音波膜厚計 LU100(ケット科学研究所):コンクリート上の塗膜厚を、下地を傷つけずに測定します。
5. 主な測定器ピックアップ
各カテゴリの主要機材です。
■鉄筋探査・内部調査
ハンディサーチ NJJ-200
電磁波レーダー方式の定番。コンクリート内部を画像として可視化し、鉄筋や空洞の位置を直感的に把握できます。小型軽量で、壁面や天井の調査にも最適です。
高性能コンクリート鉄筋探査機 プロフォメーターPM-630
電磁誘導方式。鉄筋の位置だけでなく、コンクリートの「かぶり厚」を高精度に測定します。計算機能により、配筋間隔の統計処理も現場で完結します。
鉄筋探査システム フェロスキャン PS300
広範囲をスキャンし、内部の配筋状況を2次元・3次元でデータ化します。PC解析ソフトとの連携が強力で、報告書作成の効率を大幅に向上させます。
■強度推定・診断
シュミットコンクリートハンマー N
世界標準の強度測定器。バネの反発力を利用するシンプルな構造で、電源不要でどこでも即座に圧縮強度の目安を確認できます。
コンクリート圧縮強度試験機 シルバーシュミット
打撃時のエネルギー損失から強度を算出。従来のハンマーより測定精度が高く、デジタル表示で読み取りミスを防ぎます。
コンクリートテスター CTS-02 Ver4
打撃による応答波形を解析。強度推定に加え、表面のジャンカや剥離といった「健全度」を数値で客観的に評価できる多機能機です。
■ひび割れ・厚み測定
クラック幅測定器 クラックアイ
高解像度カメラでひび割れを捉え、幅を自動計測。目視による個人差を排除し、デジタル画像としてエビデンスを残せるのが強みです。
亀裂深度計 RMG4015
電気抵抗(電位差)法を用い、表面に現れたひび割れが「どの深さまで達しているか」を非破壊で数値化。補強の必要性を判断する決め手となります。
衝撃弾性波コンクリート厚さ計 CTG2
鋼球を叩いた際の反射波で厚みを測定。削孔(コア抜き)することなく、片面からトンネルの壁や床版の厚さを素早くチェックできます。
超音波膜厚計 LU100
コンクリート上の塗膜や防食層の厚さを測定。下地を傷つけず、メンテナンス時の塗装状態の管理に欠かせません。
選定に迷ったら
「どの機種が最適か分からない」「特定の条例に対応したデータが必要」といったご相談も承ります。お気軽にお問い合わせ下さい。





